松川小学校日誌

カテゴリ:校長室・職員室より

特設合唱部の歌声・表情が、心に届きました!

2月5日(金)の午前9時40分頃、松川工業団地第1仮設住宅にお住いの「佐野ハツノ」さんという方が来校しました。昨年末に福島県文化センターで開催された「『第九』等の演奏会」に参加した本校合唱部の歌声と表情に、とても感動したのでお礼を言いたくて来られたのです。
 お話を聞くと、佐野さんは前方の中央やや右側に座って聞いていたそうですが、特に顔の半分にもなるほど大きな口を開けて一生懸命歌う男児の純真さに、遠く離れて住むお孫さんの顔も重なり、涙がとめどめなく流れたそうです。隣に座っていた友人も同じように涙が止まらなかったということです。そこで、何かお礼をしたいということで、「マカロン」という小物入れ50個を持ってきてくださいました。不要となった布きれを再利用した小物で、その男児が代表して受け取りました。 
 佐野さんは、飯舘村飯樋に住んでいらっしいました。飯舘村が村おこしで企画した「若妻の翼」初回のメンバーで、さらに、全国でもめずらしかった女性の農業委員に選出され、村や県の代表として全国を回って情報発信も行ってきたそうです。そんな中での原発事故・避難生活になってしまいましたが、それにも負けずに、不要となった布きれを針仕事で再活用する「いいたてカーネーションの会」という会を立ち上げ、その代表となりました。「一針と一刺で想いを貫くまでいの心」を大切に、飯舘村に帰還してもずうっと続けられるよう願いを叶えたいと始められたそうです。しかし、その後佐野さんは、多忙な中で病気になり、通院の身になってしまったとのことです。そんな気持ちがふさぎ込んでいる時に、コンサートの声をかけてもらい、子どもたちの歌声と表情に出会い、「生きる元気をもらった。」というのです。お手紙もいただきましたので、以下に紹介します。


 初めまして。私は佐野ハツノと申します。飯舘村より避難して松川工業団地第一仮設住宅に入居し、福島市並びに松川町にお世話になっております。
 昨年十二月文化センターにて第九コンサートに臨ませていただきました。松川小学校合唱部のみな様の透き通った清らかなハーモニー、まるで天使たちがステージに舞っているようでした。感激・感動で涙涙でした。とても素敵なお時間をいただきました。ありがとうございました。
 お陰様であれからの余韻が今も私の心を潤しています。私も何かお礼させていただき度く、以来依頼しておりました品物「カーネーションの会」の作品、マカロンを贈らせていただき度く存じます。
 アクセサリーにして下さい。又は、下校時など、お家の方へお電話されるのに十円玉百円玉数枚などの小銭入れにご使用されるのも便利です。案外人気のマカロンです。
(これって自己満足ですね) 
今後松川小学校合唱部の益々のご活躍をお祈り申し上げますと共にコンサートのお礼申し上げます。 

                       佐野ハツノ



 本校の特設合唱部は、各種コンクールにおいて上位入賞を目指すとともに、地域に歌声と笑顔を届けることを大切にしながら練習を積んでいます。今年度は念願の県大会出場を果たして喜んでおりましたが、このように感動していただいたことで、子どもたちもさらに大きな力をいただきました。今回のコンサートのテーマは、「音楽の力による心の復興を!」でした。正に、子どもたちの歌声が「心の復興」のお役に立てたのです。