下川崎小学校日誌

お祝い 名前を見てちょうだい3

 牛も、きつねもいってしまいました。けれどもえっちゃんはかえりませんでした。むねをはって大男をきりりと見上げて言いました。

 「あたしはかえらないわ。だって、あたしのぼうしだもん。」

 すると、えっちゃんの体から湯気がもうもうと出てきました。そしてぐわあんと大きくなりました。

 「たべるならたべなさい。あたし、おこっているから、あついわよ。」えっちゃんは、たたみのような手のひらをまっすぐのばして言いました。

 「あたしの ぼうしを かえしなさい」

 大男は、ぶるっとみぶるいをしました。しぼんで、しぼんで、しぼんで・・・

 「あっ、あたしのぼうし。」ひろって、名前を見ました。う、め、だ、え、つ、こ。「ああ、よかった。」

 ぼうしを頭にのせると、あらら、えっちゃんは元の大きさになっていました。

 おしまい。