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清水中の歩み Episode5

  上の図は,清水中学校の主な学校行事を,開校間もない昭和60年代と本年度とで比較したもので,改めて比較すると多数の行事が削減されてきたのだと思い知らされます。特に体育的な学校行事はことごとくなくなりました。
   では,これらの行事がいつ頃,どのような背景で消えていったのでしょうか。変遷をたどると,その主な要因は,国の教育施策の転換等に伴う,授業時数の削減や学校週五日制の導入が大きく影響したことが分かります。昭和56年度から実施された学習指導要領では「詰め込み教育」や「偏差値教育」から「ゆとり教育」への転換が図られ,週の授業時数が前年度の34時間から30時間に減少しました。そのため,今当時を振り返ってみると,学校週五日制が導入される平成4年度までの開校から8年間は,様々な学校行事を実施する余裕があった,まさに「行事の黄金年代」であったといえます。私が教員として採用されたのは昭和60年度ですが,様々な行事に追われ苦労した思い出よりも,授業以外の場面で生徒と共に汗を流したり,ゆったりとした時間を過ごしたりした楽しい記憶が数多く残っています。特に校外における活動においては,授業中では気付くことのできなかった生徒の良さに触れることができ,教師として多面的に生徒と関わる大切さを学ぶことができました。できることならば,復活させたい行事も数多くあります。
   なお,学習発表会から名称を変え,平成7年(1995年)に第1回として開催された青柳祭は,本年度で25回目を迎えます。当時の卒業アルバムを開いてみると,その内容は,今年も行うステージ発表や合唱コンクール,展示見学のほか,校内弁論大会や綱引きなどのイベントも同時に行われていたようです。
  学校週五日制が平成4年度から月一回,平成7年度から月二回と段階的に試行され,平成14年度に完全実施となりました。週の授業時数も28時間まで減少しました。これに伴い,平成4年度にはスポーツテストと水泳大会,そして芋煮会が,平成7年度には陸上競技大会が学校行事から姿を消しました。(芋煮会は平成19年度に復活し,平成24年度まで続く。陸上競技大会は平成10年度に復活し,平成24年度まで続く。)平成7年度にはふくしま国体が開催され,全国トップレベルの競技者が福島県の体育教員として採用された時期であっただけに,体育行事の削減は残念なことでした。
  清水中の歴史の中で,最も特色ある行事は,平成12年から平成20年まで1年生を対象に実施した尾瀬自然体験教室です。学校の教職員のみならず保護者や地域の方々および現地の方々の協力をいただきながら実施された行事であったと聞いております。平成14年度から福島市は,2年生による五日間の職場体験活動を導入し,現在に至っています。かつての尾瀬自然体験教室や職場体験活動を核とした「中学生ドリームアップ事業」のように,保護者や地域の方々が参画し,協働で実施できる活動を拡大していくことが,これからの学校経営に必要とされてきます。地域を巻き込んだカリキュラム・マネジメントが一層重要な時代となってきます。
   社会の変化や安全性を考慮して見直された行事もあるとは思いますが,30年前の清水中学校と今の清水中学校とでは,生徒にとってどちらが魅力ある学校なのだろうか?授業や部活動以外で,子どもたちの笑顔が弾ける場面はどのくらいあるのだろうか?記録を整理していく中でそんな思いが込み上げてきました。