幼稚園ブログ

園長だより「遥かなる想い」

修了式の時期を迎えるたびに、小学校の教師だった頃のことを思い出します。

 

小学校で卒業学年の子どもたちを担任していたとき、3月が来なければいいと思ったことは、二度や三度ではありませんでした。

 

私は、恥ずかしながら涙もろいほうで、卒業式にはいつも泣きました。子どもたちもいつも泣きました。

過ぎてしまえば、その時だけの単なる感傷に過ぎないのかも知れませんが、多感な時期の子どもたちにかかわった者として、子どもたちのこと親さんのことなど、卒業の日に一度にこみあげてきて言葉にならなかったこともありました。

 

出会いと別れが繰り返し営まれる教育現場ですが、別れに何の感慨もわかないとしたら、出会ってから別れるまでの間の教師と子どもたちとのかかわりは、いったい何だったのでしょうか。

 

大切なことは、もっと根本的に、教師と子どもたちが人間としてどうかかわったかにあります。

 

こう思いつつも、教師をしておりますと、やり残したことばかりが頭に浮かび、もっと優れた教師に出会っていれば、もっと成長できたのではないか、という思いが先に立つのです。

 

子どもたちの成長を心から喜びつつも、教師としての力不足を痛感し、悔やみ、そして、この子たちの行く末を案じ、諸々の思いが入りまじって、教師は涙するのです。

 

あの時、別れに涙した子どもたちは、この時期、何を想っているのでしょうか。3月別れの季節が来るたびに、私の頭をよぎる遥かなる想いです。

いよいよ来週が修了証書授与式となりました。

修了されるお子さんや親さんにとって、心に残る修了証書授与式となりますようにと願っています。(園長)