「まなざし」が子どもたちの心を育てます
2020年5月29日 09時32分朝の登園の時間です。元気よく「おはようございます。」と言って入ってくる子もいますし、小さな声の子もいます。一人で幼稚園に入るのが少し不安そうな子もいます。子どもたちは一人一人みんな違いますし、子どもたちには子どもたちなりの事情がありますから、みんな違って当然です。
この子どもたちが登園して来る朝の時間は、幼稚園にとって、とても大事な時間です。そして素晴らしい時間でもあります。
子どもたちが登園してくると、先生方は玄関に出て、一人一人に声をかけます。
「おはようございます。」「寒くなかった?」
「久しぶりだね、元気だった?」
先生方は身をかがめて、あるいは床に膝をついて一人ひとりの顔を見ながら話しかけます。また子どもたちが自分ひとりでシューズを履くのを、手を貸すのではなく、ずっとそばに寄り添って見守ってあげている先生もいます。
そういうかかわりがあって、子どもたちは安心しておうちの人から離れて、自分の保育室へ向かいます。友達との世界へ、勇気をもって踏み出していきます。
日々のそういう当たり前のことの繰り返しの中で、子どもたちは学んでいきます。少しずつ成長していきます。
子どもたち一人一人の可能性を信じる大人の優しい「まなざし」と語りかけによって、子どもたちは心豊かに育っていきます。赤ちゃんの研究をしている先生が、そういう意味のことを書いていました。(下條信輔1988『まなざしの誕生』新曜社)
来週からは、毎日、子どもたちが登園してきます。本当にうれしく思います。(文責 園長 佐藤一男)