庭坂小学校日誌

2学期始業式 式辞

  全校のみなさん,おはようございます。夏休みの間,交通事故や水の事故,けが,病気もなく,よく学校生活に戻ってきてくれました。ありがとう。学校の先生たちにとって,みんなが元気な姿で登校することは,本当にうれしく,「ありがとう」と感謝する価値がある,本当に素晴らしいことなんです。

 さて,校長先生は夏休みに入るときの1学期終業式では「夏休みは勉強ばっかりでなくていいから夏休みにしかできないことを」という話をしました。その夏休みは終わりました。今日からは学校生活ですから勉強を頑張ってほしい。そこで,早速みんなに問題です。難しいですから,よ~く考えて答えてみましょう。

 1+1=? (2) ん~,おしい! 半分あたってるけど,半分間違い。 確かに算数としては 1+1=2 であたっているんだけど ,今年から全学年で勉強を始めたリーダー・イン・ミーとしては間違いなんです。

 リーダー・イン・ミーの考えで言うと 1+1=3にもなるし4にも5にもそれ以上にもなるんです。これを「シナジー」と言います。

 今,世界陸上という大会がテレビで放映されて日本の選手も頑張っているようですが,この大会が始まる前の7月の大会で,日本のリレーチームは何と!今年の世界最高記録で優勝しました。その記録は37秒80。

 このリレーは1チーム4人で,1人100mずつ走ります。優勝した日本のリレー選手4人のそれぞれの最高記録は10秒1とか10秒2とかで10秒で走れる人は一人もいないのですが,計算しやすいようにこの4人の自分の最高記録がみんな10秒だとすると,日本チームのリレーの記録は10+10+10+10で40秒となるはずです。でも,さっき言ったように優勝した時の記録は37秒80です。4人の自分の最高記録を合わせた40秒より2秒以上速い記録です。

 これは5年生が勉強した「平均」の考えを使うと,100mを一人9秒45で走った計算となり,オリンピックなら世界新記録で金メダルを取れるほどのものすごく速い記録です。

 シナジーとは,このようにお互いの良いところや得意なことを生かして,自分以外の人と力を合わせ,自分一人で考えたり何かをしたりする時よりも,良い考えや解決策,自分ひとりだけではできないことを生み出す力のことです。

 「シナジー」という言葉は英語で難しい言葉に聞こえますが,リーダー・イン・ミーの教科書には,1年生から6年生までどの学年にもこのシナジーのことを勉強するページがあります。

 1年生は80ページ。こう書いてあります。

「人と人とが集まると,話をしないと前に進みません。そして,上手に力を合わせることで,もっといいクラスになっていきます,そんなクラスにしていきませんか?」

 2年生は58ページ。

「学級というチームが良いチームになるには,そこにいる一人一人が自分の頭で考え,自分の仕事をしっかりやり,他の人を助けることができるかどうかにかかっています。 みんなの学級はどうですか? そもそも,みんなはチームにとって役に立つ人なのかな? そんなことを考えてみましょう。」

 3年生も58ページ。

「お互いの長所(良いところ)と短所(足りないところ)を,それぞれの良さでカバーしあう。これを「シナジー」と言います。自分の学級でも,いくつもシナジーが生まれるといいですね。」

 4年生は67ページ。

「友達との関係をよくするために,自分は意識して何か努力をしてきたでしょうか。今回の学習では,改めて力を合わせることの意味や学級の状態を振り返り,これからどうしていけばよいのかを考えていきましょう。」

 5年生,6年生は,4年生までにシナジーのことを繰り返し勉強,考えてきていることを前提としていますから,考える中身やレベルも,もう1ランク上に難しくなっていますよ。

 ということで,どんな風に書いてあるのか。5年生は60ページ。

「30人いれば30人全ての人が主体的で精一杯のことをやる。だからこそ,シナジーが発揮されるのです。とはいうものの,シナジー,そう簡単には発揮できないのです。あることが邪魔するからです。その邪魔するものとは何でしょうか。」

 6年生は57ページ。

「学校には,シナジーを創り出せる場面がたくさんあります。少なければ2人から,多いときは学級全員と,さらに規模が大きくなれば,学年,学校と広がっていきます。ただし,そんなに簡単にシナジーが創り出せるかというと,そうではありません。ではどうしたらよいか。」

 今紹介したシナジーのページを2学期中に勉強するかどうかはわかりませんが,6年生の中にあったように,学校には,シナジーを創り出せる場面がたくさんあります。2学期で言えば,どの学年も学習発表会などがシナジーを発揮するいい機会ではないかと思います。

 最後です。

 校長先生は,今日の話の初めに「今日からは学校生活ですから勉強を頑張ってほしい」と言いました。でも勉強だけなら一人で家にいてもできます。じゃあ,どうして学校に来て勉強するのか。学校に来れば自分とは違う多くの友達がいるからです。そして,自分以外の人がいれば1+1を2で終わらせるのではなく,シナジーを発揮して3以上にすることができるからです。 つまり,学校に来て勉強するのは,シナジーを創り出すためと言ってもいいでしょう。

 さあ,学級のみんなと一つでも多くのシナジーを創り出し,充実の2学期となるよう今学期も頑張りましょう!

 終わり!