福島市立清水幼稚園
2020年4月の記事一覧
『クマのぷーさん』を読んで
先日、ある先生から「『クマのプーさん』(A.A.ミルン作)の本、いいですよ。」と言われたので、読んでみました。
クマのプーさんは、ハチミツが大好きです。ある日、プーさんが歩いていると、森の中の広場の真ん中にある大きなカシの木のてっぺんからブンブンブンという音が聞こえてきました。ミツバチです。プーさんはミツをなめたくて仕方がなくなってきました。プーさんはカシの木に登っていきました。ミツがあるところまでもう少しというところで、プーさんは細い枝に乗っかってしまいました。バシン!「あれッ!」と言うと、プーさんは枝から地面に落ちてしまいます。
そこでプーさんは考えました。そして雲のような青い色の風船につかまって、ハチミツをとりに行くことにします。ようやく木のてっぺんのハチの巣の近くまで行くことができましたが、それはミツバチとは違う種類のハチだと気がつきます。そして、自分が下に降りられなくなっていることにも気がついてしまいます。仕方がないので、下にいるクリストファー・ロビンにお願いして、おもちゃの鉄砲を持ってきてもらい、それで風船を撃ってもらいます。風船の空気がスーッと抜けて、プーさんンは無事に地面に降りることができました。でも長いこと風船につかまっていたプーさんは、前足がこわばってしまって、下におろすことができなくなり、何日も後ろ足だけで立っていなければならなくなってしまいました。
そんなお話です。何か新しい知識や役に立つことがかいてあるわけではありません。でも、こんなお話を読んでいると、何となく心が軽くなったような気がしてきます。イギリスのきれいな森が目に見えるようです。プーさんとクリストファー・ロビンが話している声が聞こえてきそうです。
今、ここにないものをどれだけ考えることができるか、それが「想像力」だといわれます。
今、日本中の皆さんが、外へ出るのも控え、人とのかかわりをできるだけ少なくしています。誰もが知らず知らずのうちにストレスを抱えているのだろうと思います。子どもたちも同じです。
でも子どもたちやわたしたちには、本があります。絵本があります。ひとには「想像する力」があります。本や絵本には未知の世界が広がっています。絵本やお話を通して、わたしたちは頭の中で、どこにだって行くことができます。誰とだって話すことができます。かかわることができます。
ご家庭でも、少しの時間、お子さんと一緒に絵本を開いてみてはいかがでしょうか。そのような時間の積み重ねが、子どもたちの「想像力」を育むことにつながっていくと思います。
(文責:園長 佐藤 一男)
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