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校長通信

「イノベーション人材育成推進事業 算数・数学科授業研究会」を終えて

 11月20日(水)、本校において標記の授業研究会が行われました。福島県教委の主催で、50名ほどの参加者が来校しました。本校のイノベーション人材育成推進教員の授業参観等をもとに、学力向上に向けた授業改善の視点や方策について協議し、有識者(文部科学省 国立教育政策研究所教育課程研究センター 島尾裕介 学力調査官兼教育課程調査官)の講演を聴くことで研鑽を積むことにより、本県教員のさらなる指導力向上を目的としております。

 この日の授業のねらいは、「角の大きさを求めるために、平行線の性質や三角形の内角、外角の性質を利用し、根拠を明らかにして説明することができること」でした。授業者の工藤教諭が、1本の補助線を引いて考えるよう指示すると、子どもたちは様々な補助線をワークシートに書きます。ある生徒が書いた補助線を含んだ図が大型画面で映し出されると、工藤教諭は「この考え方がわかる人?」と全員に投げかけます。パラパラと挙手する様子を見て、「隣の人としゃべってみて」と指示し、考えを共有した後に指名された生徒は、根拠をもとに説明をします。さらに、別の生徒を指名し、「もう1回言ってみて」…という具合に、ある生徒のアイディアが他の生徒の発言によりじわじわと広がり、一人一人の生徒の理解が深まっていく授業でした。子どもたちはやや緊張気味ではありましたが、島尾調査官から「落ち着いて考える様子があり、活発だけど一部の生徒の発言でのみ進められていく授業よりずっと深まりがあった」とお褒めの言葉をいただきました。

 授業の後半場面において、「わかった」「できた」といった満足そうな表情をたくさん見ることができました。私はそのことが何よりうれしく思いました。この事業の目的は、本県教員の指導力向上と述べましたが、授業者は常に子どもたちの「わかった」「できた」を求めて授業しています。授業研究会を行ったことにより、この授業のよいところが、参加した先生方の日々の授業の参考になり、他校にも「わかった」「できた」の表情が一層広がっていくならば会場校として、この上ない喜びです。

 これまで福島県教委の皆様に手厚いご指導、ご助言、ご支援を賜りました。心より御礼申し上げます。