福島市立清水幼稚園
幼稚園ブログ
「むっくりくまさん」をして遊びました
ちゅうりっぷ組では「むっくりくまさん」(鬼ごっこ)をして遊びました。
円の中にいるくま(先生)は、子どもたちが歌う「むっくりくまさん」の歌が終わると目を覚まして追いかけてきます。みんな、歓声を上げて逃げます。顔をこわばらせて本当に怖がる子や半べその子もいます。なので、先生は最初のうちは誰もつかまえません。「悔しいなぁ、みんなの足は速いなぁ。」悔しがってみせると、子どもたちは「私たちの勝ちだー!」と近くの子と喜び合います。こわばっていた顔も少しずつ緩んでいきます。
みんなで歌う、みんなで逃げる、みんなでスリルを味わう。「みんなで」を繰り返すうちに遊びが楽しくなり、クラスの友達にも意識が向いていくようです。
みんなで「むっくりくまさん」をした後、先生がさりげなく、くまのお面を置いておくと、友達を誘って自分たちで「むっくりくまさん」を始める子もいました。
えんちょう通信 №18
「えんちょう通信 №18」を発行しました。読んでいただければと思います。えんちょう通信 №18.pdf
「まなざし」が子どもたちの心を育てます
朝の登園の時間です。元気よく「おはようございます。」と言って入ってくる子もいますし、小さな声の子もいます。一人で幼稚園に入るのが少し不安そうな子もいます。子どもたちは一人一人みんな違いますし、子どもたちには子どもたちなりの事情がありますから、みんな違って当然です。
この子どもたちが登園して来る朝の時間は、幼稚園にとって、とても大事な時間です。そして素晴らしい時間でもあります。
子どもたちが登園してくると、先生方は玄関に出て、一人一人に声をかけます。
「おはようございます。」「寒くなかった?」
「久しぶりだね、元気だった?」
先生方は身をかがめて、あるいは床に膝をついて一人ひとりの顔を見ながら話しかけます。また子どもたちが自分ひとりでシューズを履くのを、手を貸すのではなく、ずっとそばに寄り添って見守ってあげている先生もいます。
そういうかかわりがあって、子どもたちは安心しておうちの人から離れて、自分の保育室へ向かいます。友達との世界へ、勇気をもって踏み出していきます。
日々のそういう当たり前のことの繰り返しの中で、子どもたちは学んでいきます。少しずつ成長していきます。
子どもたち一人一人の可能性を信じる大人の優しい「まなざし」と語りかけによって、子どもたちは心豊かに育っていきます。赤ちゃんの研究をしている先生が、そういう意味のことを書いていました。(下條信輔1988『まなざしの誕生』新曜社)
来週からは、毎日、子どもたちが登園してきます。本当にうれしく思います。(文責 園長 佐藤一男)
ザリガニとジャンケン
臨時休園が続いていている中、12日(火)は久しぶりの登園日なので、ザリガニがいたら子どもたちも喜ぶかなと思って、ザリガニを釣ってきて、幼稚園の玄関に置いてみました。
でも、ハサミを持ち上げるザリガニを見て女の子たちは
「キャー!」「こわーい!」
と大騒ぎです。
それを見ていた先生が、
「ザリガニとジャンケンしてごらん。絶対、勝てるから・・・・」と声をかけてくれました。
何のことかよくわからず、女の子がポカンとしていると
「ザリガニは、チョキしか出さないから」と先生がまた教えてくれました。
(ああー、そうか、ザリガニはハサミしか出せないんだな・・・・・・。)
そうしたら、子どもたちは、よろこんで「ジャンケン ポン」とザリガニとジャンケンを始めました。
「やったー。勝った!」
そうして、ザリガニを怖がっていた子どもたちは、いつの間にかザリガニと仲良しになっていました。
教育は「その場の一瞬の出来事に、どう対応できるか」「どんな応答ができるか」にかかっていると言われます。子どもたちをよく理解しているから、とっさにそういう対応ができるのだろうと思います。
まだいろいろ制限された状況の中にありますが、だからこそ身近にある生き物や植物とのかかわりを大事にした保育を進めていきたいと考えています。(文責 園長 佐藤一男)
ジャガイモを植えました
先週の14日(木)は、5歳児のひまわり組の子どもたちの登園日でした。21名が元気に登園してきました。その日、ひまわり組の子どもたちは、ジャガイモを植えることになっていました。
その日はとてもさわやかな良い天気で、畑の活動には最高の日です。9時過ぎ、子どもたちが、園庭の隅にある畑に集合しました。畑の畝(うね)には黒いビニルのシートがかけてあります。そこにシャベルで穴をあけ、土を少し掘って、ジャガイモを植えます。
もうジャガイモを植える時期は過ぎていて、タネのジャガイモからはたくさんの芽が伸びてしまっています。ちゃんと育って、ジャガイモが収穫できるか心配ですが、このような状況ですから、仕方がありません。
芽が下を向いたまま植える子もいますし、タネのジャガイモが半分も外に出たまま植えている子もいたりで大変でしたが、子どもたちは大喜びでジャガイモ植えは無事完了しました。
子どもたちは、3週間ぶりの登園です。先生方は「何をしてあげよう・・・」「何ができるかな・・・」と何日も前から考えました。そして「ジャガイモを植えよう」と決め、準備をしてきました。
短い時間でしたが、子どもたちみんなで「共通の体験」ができたことには大きな意味があると思います。ジャガイモを植えるという同じ体験を、みんなが「共有」していることで、子どもたちの心は「つながって」いきます。相手の気持ちもわかるようになっていきます。そしてまた少し仲良く、そして優しい子になっていきます。
先生方は、経験的にそういうことをわかっているのです。外から見れば、ただの「ジャガイモ植え」と見えるかもしれませんが、その中には先生方の子どもたちへの思いと経験による知恵が込められています。短い時間でしたがよい保育ができたと思っています。(文責 園長 佐藤一男)
「ダンゴムシ ころんでたよ!」
5月12日(火)は、年少のちゅうりっぷ組の子どもたちの登園日でした。22名が登園してきました。そして、今日14日(木)は、年長のひまわり組の子どもたちの登園日でした。年長のひまわり組も21名登園しました。
子どもたちの明るく元気な声が園舎や園庭にもどりました。やはり、子どもたちがいてこその「幼稚園」なのだと心から思いました。
12日の年少組の子どもたちの登園日は、とても良い天気で、子どもたちは園庭に出て、思う存分に遊び、活動することができました。ジャングルジムに登ったり、ブランコに乗ったりして、さわやかな風を体全体で感じていました。
4月に入園した4歳の子どもたちにとっては、園庭はまだまだ未知の世界です。園庭でダンゴムシを探していた男の子が3人、プラスチックの飼育箱をかかえて、玄関にかけこんできました。
「ねえ、ねえ、ダンゴムシ ころんでたよ!」
(えっ? ダンゴムシが ころんだ・・・・・・。なんだろう?)
わたしは、よく意味がわからず、「それは すごいねー。」というのが精一杯でした。
ダンゴムシは、植木鉢などをどかしてみると、すぐにつかまえることができます。つかまえると、手のひらの中で、くるくるっと丸まってしまいます。子どもたちはダンゴムシが大好きです。ダンゴムシをつかまえようとしたら、そのダンゴムシがコロコッと丸まった。それを、その子は「ダンゴムシ ころんでたよ」と言ったのかもしれません。いろいろ考えてみるのですが、本当のところはわかりません。でも、子どもはおもしろい表現をするものだなと、うれしくなってしまいます。本当に明るい気持ちになってきます。
わたしたち大人は、子どもたちの健やかな成長を願い一生懸命に世話をして、育てます。でも実は、力をもらっているのは、わたしたち大人の方なのかもしれません。子どもには、そういうふうに周りを元気にする力があるのだと思います。
久しぶりの登園日にそんなことを考えました。子どもたちは素敵です。(文責 園長 佐藤一男)
登園日、とても楽しみです
明日12日(火)は、年少のちゅうりっぷ組の子どもたちの登園日です。そして、14日(木)は、年長のひまわり組の子どもたちの登園日です。本当に楽しみです。
先生方は、テーブルやイスの消毒をしたり、園庭の畑にジャガイモを植える準備をしたりして、待っています。ひらがなのおけいこのシートなども配布できるように用意してくれています。子どもたちが楽しく踊れる曲も選んだりして、準備は万端です。絵本の貸し出しの準備もできました。池で釣ったザリガニもいます。
休園が延長され、我慢の時期が続きますが、そういうなかにも、何かできることを見つけたり、楽しいことを考えたりできればいいなと思っています。
以前に紹介した『クマのプーさん』(A.Aミルン作)の終わりのところに、プーさんとコブタさんのこんな会話があります。
森のなかでおこなわれたパーティーからの帰り道、コブタとプーは、夕方の金色に輝く光のなかを、並んで歩いています。二人は長いこと何にも言いませんでした。でも、とうとうコブタが言いました。
「プー、きみ、朝おきたときね、まず第一に、どんなこと、かんがえる?」
「けさのごはんは、なににしよ?ってことだな。」と、プーは言います。
「コブタ、きみは、どんなこと?」
するとコブタは、こう答えます。
「ぼくはね、きょうは、どんなすばらしいことがあるかな、ってことだよ。」
プーさんの答えは、ハチミツが大好きなプーさんらしくていいですね。そして、未来を信じるコブタさんも素敵です。目の前が開けたような明るい気持ちになって、元気が出ます。
今週の登園日、久しぶりに、園庭や遊戯室に子どもたちの歓声がもどってきます。今から楽しみで仕方がありません。 (文責 園長 佐藤一男)
図鑑の中に広がる驚きの世界
みなさん こんにちは。昨日、本や絵本が、子どもたちの世界を広げてくれることを書きました。他にも子どもたちの知的好奇心を育ててくれるものが、身近なところにあります。
それは図鑑です。
私は昭和の生まれですので、小学校のころ、休みだからと、どこかに連れていってもらうようなことはあまりありませんでした。家と学校の周りの野山や田んぼや畑、小川などが自分の知っている世界でした。おもちゃなども今のようにはありませんでしたが、どういうわけか学研のポケット図鑑を買ってもらって、繰り返し見ていたことは覚えています。宇宙の図鑑や昆虫の図鑑、そして魚の図鑑などがありました。手のひらにおさまるくらいの小さな図鑑でしたが、そこには宇宙の果てのアンドロメダ星雲やブラックホールなど驚きの世界が広がっていました。フナやザリガニの飼い方などもかいてあり、毎日見ていた記憶があります。小さな図鑑が知らない世界を教えてくれました。
図鑑は、字が読めるようになってからと考えるかもしれませんが、そうではなく、早ければ早いほどよいのだそうです。東北大学の瀧靖之先生が『こんなカンタンなことで子どもの可能性はグングン伸びる!』(2019.ソレイユ出版)という本に書いています。人間の脳は3,4歳くらいから少しずつ「好き・嫌い」を判断するようになり、自分が「嫌い」と思ったり、「これは楽しくないな」と感じたりしたものに対しては、興味関心はわいてこないのだそうです。ですから「好き・嫌い」が出てくる前に、赤ちゃんのうちから図鑑を見せてあげるのがよいのだそうです。
この休みに、お子さんと一緒に図鑑を開いてみるのもよいのではないかと思っています。(文責 園長 佐藤一男)
『クマのぷーさん』を読んで
先日、ある先生から「『クマのプーさん』(A.A.ミルン作)の本、いいですよ。」と言われたので、読んでみました。
クマのプーさんは、ハチミツが大好きです。ある日、プーさんが歩いていると、森の中の広場の真ん中にある大きなカシの木のてっぺんからブンブンブンという音が聞こえてきました。ミツバチです。プーさんはミツをなめたくて仕方がなくなってきました。プーさんはカシの木に登っていきました。ミツがあるところまでもう少しというところで、プーさんは細い枝に乗っかってしまいました。バシン!「あれッ!」と言うと、プーさんは枝から地面に落ちてしまいます。
そこでプーさんは考えました。そして雲のような青い色の風船につかまって、ハチミツをとりに行くことにします。ようやく木のてっぺんのハチの巣の近くまで行くことができましたが、それはミツバチとは違う種類のハチだと気がつきます。そして、自分が下に降りられなくなっていることにも気がついてしまいます。仕方がないので、下にいるクリストファー・ロビンにお願いして、おもちゃの鉄砲を持ってきてもらい、それで風船を撃ってもらいます。風船の空気がスーッと抜けて、プーさんンは無事に地面に降りることができました。でも長いこと風船につかまっていたプーさんは、前足がこわばってしまって、下におろすことができなくなり、何日も後ろ足だけで立っていなければならなくなってしまいました。
そんなお話です。何か新しい知識や役に立つことがかいてあるわけではありません。でも、こんなお話を読んでいると、何となく心が軽くなったような気がしてきます。イギリスのきれいな森が目に見えるようです。プーさんとクリストファー・ロビンが話している声が聞こえてきそうです。
今、ここにないものをどれだけ考えることができるか、それが「想像力」だといわれます。
今、日本中の皆さんが、外へ出るのも控え、人とのかかわりをできるだけ少なくしています。誰もが知らず知らずのうちにストレスを抱えているのだろうと思います。子どもたちも同じです。
でも子どもたちやわたしたちには、本があります。絵本があります。ひとには「想像する力」があります。本や絵本には未知の世界が広がっています。絵本やお話を通して、わたしたちは頭の中で、どこにだって行くことができます。誰とだって話すことができます。かかわることができます。
ご家庭でも、少しの時間、お子さんと一緒に絵本を開いてみてはいかがでしょうか。そのような時間の積み重ねが、子どもたちの「想像力」を育むことにつながっていくと思います。
(文責:園長 佐藤 一男)
「みんな元気かな・・・、何しているかな・・・。」
新学期がスタートしたと思ったら、もうすぐ5月になります。今年度は入園式から2週間で休園になり、「子どもの日の集い」ができるかどうかもわかりません。
それでもスタートの2週間、保育ができたことは、子どもたちにとっても、先生方にとっても本当によかったなと思っています。子どもたちは幼稚園にも慣れ、友達もできて、先生方ともよい関係を築くことができました。
幼稚園が休園になっても、先生方は毎日、子どもたち一人ひとりの顔を思い浮かべ、「みんな元気かな・・・、何しているかな・・・。」と思いをはせています。
このお便りが、届くことで、ご家庭で幼稚園のことが話題にのぼり、子どもたちが、お友達のことや先生方のこと、そして幼稚園での遊びや生活のことなどを少しでも頭の中に思い浮かべてくれたら、こんなうれしいことはありません。
早くみんなで、幼稚園の庭に出て、砂遊びをしたり、ダンゴムシをとったりできることを心から願っています。(文責 園長 佐藤一男)
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