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カテゴリ:今日の出来事

鉛筆 子どもたちの《命・心・未来》を見つめて【ふくしま教師塾研修視察】

 平成31年2月5日(火)、福島市立福島養護学校、社会福祉法人青葉学園にご協力いただき、平成30年度ふくしま教師塾研修視察を行いました。特別支援学校の特色や知的障がいをもつ子どもたちの進路、児童養護施設で生活する子どもたちのことについて丁寧にご講話いただき、理解を深めました。塾生たちは、未来を生きる子どもたちの幸せを願い、一人一人の子どもたちとしっかり向き合いたいと決意を新たにしました。

〔塾生の声〕

◇特別支援学校で学ぶ子どもたちの就労先の少なさなど、なかなか自立が難しい現実に衝撃を受けました。発達段階や障がいに応じたきめ細やかな指導がなされている養護学校を見学できたことは、自分の指導を見つめ直す良い機会になりました。一人ひとりのニーズに可能な限り応え、学力を含めた様々な力を育める教育者を目指して精進していきたいです。

◇福島養護学校の児童・生徒の生き生きと活動している姿がとても印象に残った。校長先生からは、特別支援教育の歴史的な変遷から今日における役割など、多面的な話をいただいた。児童・生徒の健やかな成長を願う点ではどの学校・施設も同じであることを改めて確認することができた。今回学んだことを、通常学級でできる形にアレンジし、実践に生かしていく。

◇児童養護施設の子どもたちが置かれている現状を知ると同時に、職員の皆さんが園長先生の理念のもと、愛情をもって子どもたちに接している姿に感銘を受けました。子どもの「自分がここにいる理由がわからない」という言葉に心を動かされ、施設で生活する子どもたちがもつ深い悲しみを改めて感じました。

◇虐待の早期発見について、学校のもつ役割の重要性を認識でき、少しでも不幸な子どもたちをなくすように児童理解に努め、組織的に対応できるよう心がけていきたいと思いました。また、学園が最も大切にしている「子どもの命 子どもの心 子どもの将来」という考え方は、学校教育でも全く同じだと思いました。見学する機会がなかなかもてない場所を視察することができ、子どもたちの現状を見ることができ、勉強になりました。

※参考:児童養護施設青葉学園の指針

1.子ども達と職員との信頼関係を基盤に「愛」に支えられた人間関係や家庭的な環境の下で子どもが養育されるべきであるとの理念に基づいて、子どもの養育と自立を支援します。
2.子どもの個性を尊重し、家族と協力しながら子どもの成長を支援し、併せて保護者の養育力向上のための支援を行います。
3.子どもが日々の生活を通して「生きる力」を培えるように支援します。
4.職員は、子どもの成長に必要な「モデル」(手本)であることを自覚し、自己研鑽に努めます。
5.関係機関や地域・ボランティアの皆様と協力し、子どもの自立を支援します。

鉛筆 名人への道【ふくしま教師塾】

 平成30年12月25日(火)、ふくしま教師塾の第3回全体研修会を開催しました。鈴木義男師範(鎌田小学校長)、小島英二塾長(三河台小学校長)の講話の後、一人ひとりの塾生が2学期の検証授業についての中間報告を行い協議しました。本日の協議をもとに、3学期に修了式及び報告会を行います。

 ◇こんな授業者になりたい

 …依然として「挙手ー指名」という方式をとり続けている。要するにそれらは、反省の深さと自覚の問題である。深く、強く反省し、自覚が確かであれば授業の改善はなされていくに違いないのだが、一般的には授業はとにかく教師が「やりたいようにやっている」ことが多いのである。授業の腕を磨いていくためには、そのような安易な授業行動との訣別がまず必要になってくる。

 授業は面白くなければならない。第一には、まず教師にとって面白くなければならない。次に子どもにとって面白くなければならない。教師にとって面白くもない授業が子どもにとって面白いはずがないからである。(野口芳宏著『名人への道』から抜粋)

鉛筆 頑張る先生を応援します!【校内研修支援】

 平成30年12月12日(水)、教育研修課指導主事が吾妻中学校の現職教育校内協議会に招聘され、指導助言を行いました。教育研修課では指導主事等派遣を行い、各学校の教職員研修を支援しています。

◇職業人としての技術

 子どもがかわいいのであれば、子どもをとにかく少しでもよくしていける、教師という職業人としての技術、専門職としての実力をもつことだ、子どもをほんとうにかわいがる、幸せにする方法は、そのほかにはないと思います。それ以外のことはみんな二次的なことだと思います。遊んでやるのもよいし、頭をなでてやるのもよいし、やさしいことばをかけるのも結構、しかしそれらはみな二次的なことです。…いちばん大事なことをちゃんとやっていながらでないと、教師自身の自己がこわれてしまうと思います。(大村はま著『教えるということ』から抜粋)

鉛筆 優劣のかなたに【Chance・Challenge・Change ふくしま教師塾】

 「教師塾」というチャンスに、「反省的実践家」として授業研究にチャレンジし、確実にチェンジしている塾生6名、そしてそれに応える子どもたち。平成30年度ふくしま教師塾、第3回授業研究会が終了しました。

◇優劣のかなたに

劣等だとか、優等だとかいう世界の向こうの世界へ子どもを連れていくことはしなければならない。
教室で座りながら、できない、つらいなどと思わせる、片っぽうは反対に得意になっているとか。
これも人間を育てる世界らしからぬ世界で、そういうところに子どもを置いてはだめです。

……ただ教室のなかで優劣の向こうへ生徒をもっていくことだけは、これはしなくてはいけないことでしょう。教室のなかで、それぞれ学習に打ち込んでいて、それぞれ成長していて、だれができ、どの子ができないなどと思っているすきまがないようにしなければならないと思います。

できるとかできないとかということを忘れて、全力をふるって、うちこんでやっていく。
一生懸命やっていく、その向こうで、その気持ちのなかで、できる子ども、できない子があっても、そんなことに関係のない世界をつくっていくことができないか。
……おもしろい授業を力いっぱいさせて、生徒に自分が劣っていることを忘れて打ち込ませるところまではもっていかなくてはと思っています。みんな一生懸命になっているとき、そんなことが気にならなくなってしまうのですね。

(苅谷夏子著『大村はま60のことば 優劣のかなたに』から抜粋)