センター事業等
教育相談実践講座「学級の人間関係をつなぐ集団社会化療法」
教育相談実践講座「学級の人間関係をつなぐ集団社会化療法」 中村恵子先生の講演会を行いました。
10月19日(水)、こむこむ館わいわいホールにおいて、東北福祉大学准教授・中村恵子先生をお招きし、教育相談実践講座を実施しました。
中村先生からは「学級の人間関係をつなぐ集団社会化療法」という演題で講演いただき、「集団社会化療法」について、「学齢期以降の適応課題の中核は学校適応である」こと、「帰属集団を好きになるほど、集団の魅力度が高く、同一化の動機が高まり集団適応が促進される」こと、また「意図的・構成的な仲間づくりの方法として『対人関係ゲームが有効』である」こと等を具体的な事例をもとにご紹介いただきました。 「SCでは1人を適応させるのに6ケ月、集団遊びではオセロゲームのように一気に不適応を適応に変えるマジックがある。」など中村先生のご講演は、多くの参加者にとって課題解決のヒントとなったようです。
参加者からは、「学級を帰属集団として、多様な子供たちに対応しながら、いかに好きになれる集団にしていくかが大切だと分かった。」、「明日から自分の実践に生かしたい。」との感想が多く聞かれました。
「みんなができる算数科の授業づくり」算数科授業力向上講座
10月13日(木)国立教育政策研究所より 教育課程調査官 笠井健一 先生をお招きし、令和4年度算数科授業力向上講座を実施しました。
受講者からは、
○「特に『問い返し』の大切さを学ぶことができた。一部の児童の発表だけで終わるのではなく、『問い返し』により、全員が理解できる授業にしたい。」
○「自分の授業を振り返ると、いわゆるAクラスの児童中心に進めていた。しかし、今日教えていただいた具体的な方法によって、全員の子どもが考える授業をつくっていけると感じたので、明日から実践してみたい。」
○「ふりかえりの場面をどうするか迷っていたが、適用問題の活用が有効であることを聞き、気持ちが軽くなった。」
などの感想が聞かれました。笠井先生による、具体的な授業場面を想定してのお話は、大変わかりやすく、「なるほど、自分もできそう!」と感じるものばかりでした。明日からの授業に生かせるお話をいただけ、大変貴重な時間となりました。
初任者研修 市内研修 実地研修
9月21日(水)に初任者研修 市内研修 実地研修が行われました。飯坂温泉観光協会の齋藤利香子さんからは、震災当時、飯坂温泉の人々が避難してきた方々にどのような支援を行ってきたのかをお話ししていただきました。また、DEFROCKのターキンさんこと、安斉果樹園の安齋忠幸さんにも、音楽を通した新たな地域イベントづくり~町おこしを楽しむ~という題でお話と、演奏をしていただきました。
【研修者の感想】
○安斎さんのお話をしている姿が生き生きとしていて、自分が好きなことに対しての企画力や実行力がとても魅力的に見えた。 自分の好きなことを追求していくことが、新たなイベントにつながり、それが地域活性化にもつながると感じた。また、何より自分が楽しんでいる人は周りからみても魅力的に映り、活動や周囲の人にもつながっていくことを実感した。考え方一つ、行動一つで仕事に対しても楽しさが変わってくる。教員としても安斎さんのように、楽しく生き生きしながら子供たちの前に立つことが大切なのだと学ぶことができた。
○誰かに元気や勇気を与えることができれば、それこそが社会奉仕・社会貢献である。そのためには、相手のことを思う気持ちが大切である。飯坂の方たちは、東日本大震災発生時に被災者を旅館で受け入れたり、温泉を無料開放したり、被災して大変な方たちを懸命に支えた。齋藤様はその経験から、人として成長することができたとおっしゃっていた。社会奉仕・社会貢献活動は、相手のために行動しながらも、結果的に自分が成長することができると感じた。
第2回ICT推進員研修会
第2回ICT推進員研修会を9月22日に、福島市市民会館で実施しました。
研修会では,「FCSの活用の仕方について」の説明及び「タブレット端末を活用した教育推進に向けて」の講義、「タブレット端末の活用における校内の課題の解決に向けて」の協議を行いました。特に、協議では、中学校区ごとに話し合いを行い、効果があった取組や課題について共有することができました。
■効果があった取組
[授業]
・マルチウインドウ活用することで、子どもの学習過程が分かる(三小)
・Pagesを使って歴史、総合のまとめの新聞を作成した。(蓬莱東小)
・数学の関数のグラフなどとwebexで共有して細かい部分まで説明したところ「先生、見えません。」がなかった。(平野中)
・ミシンのセットのしかたを動画で撮影し、共有したことで1人1人確認しながらできた。(大森小)
・休校中、担任は自宅から分科は学校からオンラインでつなげて授業を実施した。(鳥川小)
・MetaMoJi ClassRoomにアップした友達の作品のよさをみつけて書き込みをさせた。(清明小)
・不登校児童へのオンライン授業が効果的であった。(吉井田小)
・MetaMoJi ClassRoomのアンケート機能を活用した国語科の授業。(鎌田小)
・メモ帳やwebexの活用により書字が苦手な子が表現を拡げることができた。(余目小)
・MetaMoJi ClassRoomに板書の写真を貼り付けておくようにして、いつでも振り返ることができるようにした。(渡利小)
・聴覚優位な児童にとってデジタル教科書は音声+青色で表示されるため理解しやすい。(北沢又小)
・配信ブックマーク内の教科書コンテンツの活用(理科・外国語活動・家庭科)。(大笹生小)
[家庭学習等]
・家庭学習での外国語のスピーチ練習の録画をすることで、1人1人のスピーチを聞くよりも時間が短縮され、じっく り聞くことができる。(森合小)
・持ち帰りで学習計画表をMetaMoJi ClassRoomで作成し、毎日記録させるようにしたことで、タブレットに触れる機会が増えた。
・週末作文の課題をノートからMetaMoJi ClassRoomに変えたら長い文章が書けるようになった。(平石小)
・宿題プリントをMetaMoJi ClassRoomで配付したことで、印刷・採点の手間が減った。(第一小)
[学校生活]
・タブレットに合唱コンクールの曲が入っているので自分たちで練習できた。(野田中)
・放射線教育の講演をwebexとMetaMoJi ClassRoomを用いて各教室で行うことができた。(大鳥中)
・Keynoteを活用して委員会や学年集会の発表を行っている。(平石小)
・修学旅行や校外学習での写真の記録として活用した。(吉井田小)
・学年目標や修学旅行のしおりの表紙に入れる絵をGoogleフォームにより学年でアンケート投票した。(北信中)
・オンライン生徒会総会をしたことで、コロナ感染症対策とペーバーレスを実現できた。(西根中)
・生徒総会要項、生徒会役員総選挙要項をMetaMoJi ClassRoomにて配付。(飯野中)
・生徒会総会でwebexで投票したところ、開票作業を行わずに済んだ。(信陵中)
[その他]
・事後研のICT化。(御山小)
・学校便りをMetaMoJi ClassRoomによる配信にしたことで、不登校生徒への確実な伝達ができた。(西根中)
・図書のよみきかせを動画で撮影し、AirDropで全員に送信し、家庭でみてもらった。(水原小)
令和4年度タブレットPC研修会(中級)
各学校に導入されたタブレットPCをより効果的に活用していくために、今年度より新しく中級編が行われました。希望者を対象に9月6日から8日までの3日間、総合教育研修センターで実施しました。
前半の「Webex Meetingsの活用」では、投票機能やブレイクアウトセッションの行い方、ipadのスプリットビュー、スライドオーバー機能等、「授業における授業支援アプリの活用」では、MetaMoJi ClassRoomの新機能や授業ノートの共有方法を学びました。
後半の「情報活用能力育成を目指すICT活用」では「個の学び」と「協働の学び」体験を行い、スライドの作成の仕方やルーブリックについて学びました。
盛りだくさんの内容でしたが、参加者の皆さんは、熱心に話を聞いたり、演習に取り組んだりしていました。
【受講者の声より】
・ICTの活用について使い方が完全に理解していないため使用しなかったりすることがありましたが、今回MetaMoJiの活用やタブレットの使い方について学ぶことができ、これから少しずつではありますが授業に活かしていこうと思います。
・今まで知らなかったことがたくさん分かったので、大変勉強になりました。今日学んだことを学校に帰ってから、先生方にお伝えしたいと思います。特にMetaMoJiの新機能が参考になったので、使ってみたいと思います、ありがとうございました。
・これからの授業で使える技術をたくさん覚えられました。明日から授業で使ってみます。分かりやすく、丁寧に教えていただき、ありがとうございました。
・授業で使えるツールやアイテムをたくさん教えていただいたので、少しずつ授業にいかしていきたいと思います。忘れないうちに使って、使いこなしていけるようにしたいと思います。
・今年度他地区から異動してきたため、MetaMoJiやWebexの活用方法に不安があったので、有効な活用方法を知ることができてよかったです。
・アンケート機能やブレイクアウトセッションなども教えていただいたので、使っていきたいと思いました。MetaMoJiを使って、学習に取り入れて広げていきたいと思いました。ありがとうございました。
・MetaMoJiでのアンケートや開始・終了の設定等,まだ使ったことのない機能がたくさんあり,大変参考になりました。他の教員から「これやりたいんだけどどうすればいいの?」ときかれていたことにも,研修を通していくつか答えられるようになったと思います。もう既に活用している機能もありましたが,それもなかなか難しいことをやっていたのだということも分かりました。
・MetaMoJi等の新機能についての解説をしていただき、明日から使ってみよう、と思える研修でした。ありがとうございました。
・新機能が増えていることがわかったので、校内で広められるようにしたいです。
・普段はWindowsをベースに使用しておりiPadの基本的な操作が苦手でしたが、本研修を受講し使用方法が少し理解できました。Webexについても基本的なことしかできなかったので、アンケート機能などを今後活用していこうと思います。
・各自がカードに考えを書き込み、それを分類しながら話し合うという活動を行いたいと考えていたため、実際に体験しながら学ぶことができたのでよかったです。教師側の操作をもっと詳しく知りたいです。Webexの様々な機能は、市一斉オンラインの際などに試してみたいです。
・たくさんの情報があり、なかなか頭が追い付けない状態でした。それでも、知りたかった情報(2種類の画面を同時に表示する・アンケートの作り方)などについて知ることができ、何度も練習して活用したいです。また、生徒会活動でもアンケート機能など活用できそうだと思いました。練習時間が必要と、強く思いました。
令和4年度情報モラル教育講座
令和4年度情報モラル教育講座
情報化社会で避けては通れない情報モラル教育の実践に向けて,学校現場で必要なネット依存予防や家庭に対する対応等について学ぶため,独立法人国立病院機構 久里浜医療センター 主任心理療法士 三原 聡子 氏を講師に迎え,情報モラル教育講座を8月30日(火)に実施しました。
研修会では「ネットゲームの仕組み」や「依存のメカニズム」等についての説明をもとに「ネット依存の治療」や「予防対応策」について具体的な事例を通して研修を深めました。
【受講者の声より】
・今回受講し、脳のメカリズムから依存になっていく様子を知り、改めてゲーム依存のこわさを感じました。ネット依存にさせないためのかかわり方のポイントを学んだので、保護者を巻き込んで学校全体で取り組んでいきたいと思います。
・人が依存から脱却、回復するためには、人との関わりや、生きる目標などが不可欠で、本人に動き出させるための手立てが必要だと分かった。今後の生徒への声かけ、先生方との協議、保護者との相談に役立てていきたい。
・とても役立つ講座でした。講座の部屋の大きさに合わせた適切な人数、換気などもよくできていて安心して受講できました。
・ネットやゲーム依存に関する話をずっと聞きたいと思っていました。そのような中で研究に先駆的な先生のお話を聞け、大変勉強になりました。
・三原先生のお話は実際に依存症の方々と接していることから、大変勉強になりました。中でも「ネズミの楽園」の話が心に残りました。一匹で小さなゲージに入れられているネズミは100%快楽を与える物質に依存することに対して、たくさんの仲間がいて楽しいものがたくさんあるゲージでは依存することがなかった。また依存していたネズミも楽園に入れば、次第に依存性がなくなるという話だったのですが、これは人間の世界でもいえることだと思いました。児童が自分の学級を楽園と感じれば、少しでも依存症を予防することができるかもしれんません。私もそのような学級を目指せればと思いました。
・本校でもネット依存傾向の子供がみられる。これまで本人の特性や家庭のかかわり方が要因だと考えていたところが大きかった。本講演で本人や家庭が要因であることに間違いはなかったが、学校や教員として予防や改善に取り組むことができると知った。
・実際に病院に来る患者さんの具体的な症状や実存のゲームについて知ることができ、最新の知識を知ることができました。また、報酬欠乏症候群や再発準備性など、専門用語も教えていただき、ゲーム依存に対して”なんとなく”知っていたことから”確かな”知識に変わりました。今後は根拠を持って子供や保護者に向き合えると感じました。
主任・担当者研修 防災・放射線教育研修会
主任・担当者研修 防災・放射線教育研修会
8月31日(水)に防災・放射線教育研修会を行いました。
今回の研修では、福島市危機管理室の方の講義や、昨年度の放射線教育推進校である飯野中学校の実践紹介、環境省福島地方環境事務所・環境再生プラザの企画による実習を行いました。研修を通して、福島市における防災・放射線教育の重要性や必要性について市内各小・中・特別支援学校の先生方に再認識していただきました。
【研修者の感想】
○「自分は大丈夫」と思い込んでしまう、『正常化の偏見』という現象について知った。地震発生直後にどんなことが起こっているのか書き出してみて、まさに自分の身体に被害がふりかかっているかもしれないという考えが完全に抜けていた。また、福島県の放射線教育は、最先端をいっているという鳥取大学北先生の発言、一度心して教育にあたろうと思った。東日本大震災を知らない子供たちに伝えていく責任を改めて感じた。
○私にとってはつい最近の出来事に思える震災だが、日々、目の前にいる子供達は震災のことなど全く知らない子供達だった。わずか、11年前のことを自分事として伝えるのが難しいと思うと、戦争のことなど伝えるのはなおさら難しいな…と思ってしまった。私たち大人の記憶が鮮明なうちに子供達に伝えていきたい。そのために、環境再生プラザの様々なツールを紹介していたただけたことはとてもありがたかった。
初任者研修 拠点校指導教員・研修コーディネーター・校内指導教員・研修リーダー研修会
初任者研修
拠点校指導教員・研修コーディネーター・校内指導教員・研修リーダー研修会
8月26日(金)に初任者研修 拠点校指導教員・研修コーディネーター・校内指導教員・研修リーダー研修会を開催しました。
今回の研修会を通して、初任者研修がさらに充実され、ふくしまの子供たちの教育が充実していくことを期待しています。
ブラッシュアップ講座(8月3日実施)
東邦銀行陸上競技部 佐々木真菜 選手 ・ 天下谷真弓 コーチ が講演
「ブラッシュアップ講座」は、教職員が多方面の第一線で活躍する講師の方より講演いただくことで、社会的視野を広め、幅広い教育的知見を獲得することを目的として、今年度初めて実施しました。初回の講師は、今まさに自己記録を更新中であり、2年後の「パリ パラリンピック」への出場・活躍が期待される東邦銀行陸上競技部所属のパラアスリート佐々木真菜氏と、自身も女子60mの日本記録をもち、佐々木選手をはじめ後輩の育成にあたる天下谷真弓コーチ。このお2人から教職では得られない体験談を含め、興味深いお話をいただきました。
受講者からは、「自分が知らない世界で活躍されている方の話はとても感動した。陸上を通して学んだお話は、教育に生かせることがとても多いと感じた。目標のもたせ方、サポートの仕方など明日から使えることがたくさんあり、大変勉強になった。」「佐々木選手の『失われたものを数えるな、残されたものを最大限生かせ。』という言葉、天下谷コーチの『もっていないものは、身に付ければいい。』という言葉に感動した。」「真菜選手の大活躍の基盤に教育があったと伺い、うれしく思ったのと同時に、教師という仕事の責任に身がひきしまる思いがした。私も子どもたちの道先案内人として、その子のよさを一緒に伸ばしていきたい。」「本市のすばらしいアスリートの方の話をお聞きでき、今後の子どもとの関わりや自分の生き方についてとても大きな示唆と力をいただいた。挫折を乗り越える前向きさ、『人との比較』ではなく『自分にあるものをさらに強くする』ことについての大切さを感じた。」などの感想が聞かれ、教職以外の方のお話から、改めて教育の大切さ、子どもの支援のあり方などについて考え直すきっかけとなるとともに、教員としての決意を新たにした先生方が多かったようです。
総合的な学習の時間授業力向上講座 田村 学 先生
本年度の総合的な学習の時間授業力向上講座は國學院大學より前文部科学省視学官 田村 学先生をお迎えし、8月1日(月)に実施しました。
今回の講演では、「総合学習と学力アップの相関性」を手掛かりに、総合的な学習の時間が果たす意義や役割の大切さをご教授いただきました。
参加者からは「総合的な学習の時間は、今まで『準備が大変で、指導も難しいもの』という見方をしており、子どもたちへの影響もあまりはっきりとしないと感じていたが、明らかに生徒の変化がわかる学校の例を見せていただき、取り組ませ方や課題の立て方に工夫が必要だったと反省させられた。」「『探究』がいかに子どもたちの学びを主体的で深いものにするか、本当にわかりやすいご説明だった。」「総合的な学習の時間は、その一つ一つに教師の心構えや力量が問われるものだと思った。人任せにせず、自校のカリキュラムに自信がもてるようなグランドデザイン作りを行っていきたいと思った。」「振り返りや思考ツールなど、総合的な学習の時間だけでなく、各教科で生かせることもたくさん教えていただいた。今後活用していきたい。」などの感想がよせられ、総合的な学習の時間の位置付けについて改めて確認するとともに、探究活動が総合的な学習の時間だけではなく、全ての教科に波及することが子どもの学力向上に結び付くことについて理解を深める機会となりました。