学校日誌

カテゴリ:校長室から

One for all,All for one.

   9月20日(金),24日から26日にかけて開催される,支部中体連新人総合大会の選手壮行会を開催しました。私から以下の話をしました。

One for all,All for one.

   福島支部中体連新人総合大会に臨む選手の皆さんに,今日はOne for all,All for one.という言葉を贈ります。皆さんの中には,この言葉を一度は耳にしたことがある人もいることでしょう。「One for all,(一人はみんなのために)」「All for one.(みんなは一人のために)」。
  「One for all,All for one.」一般的には(一人はみんなのために,みんなは一人のために)と訳され,チームプレイの大切さを表す美しい言葉としてよく引用されます。本日より日本でラグビーのワールドカップが開催されます。この大会の成功を祈りながら,平成28年10月に53歳の若さでなくなった元ラグビー日本代表の主将で,日本代表監督も務めた平尾誠二さんは,生前に別の解釈を紹介しています。その解釈とは,「One for all,(一人はみんなのために)」の訳は同じですが,「All for one(みんなは一人のために)」の部分が違っているという説です。「All for one」の「one」とは「一人」という意味ではなく『勝利』を意味する“ Victory ”であるというのです。つまり(一人はみんなのために,みんなは勝利のために)と訳すのが正しいという解釈です。
   どんなに優秀な選手でも,一人でできることには限界があります。しかし,チームになれば1+1が3にも5にもなります。これがチームプレイの素晴らしいところです。しかし,それには前提条件があるのです。それはチームの一人ひとりが『勝利』への強い思いを持っていること。そして勝つための技術や経験を有していることです。チームの一員として他のメンバーに甘えたり,すがったりしない強い意志を持った集団であることが不可欠なのです。残念ながら清水中のどのチームもそのレベルには達していません。だから,現時点では必ず『敗北』を経験します。しかし,新人戦は『敗北』が許される大会です。次の『勝利』につながる貴重な『敗北』を経験してきなさい。では,貴重な『敗北』とは何か。全員の気持ちは「All for one」(勝利のために),最後まであきらめず,その試合でできることを出し切り,そして,自分個人に足りないものは何かを一人ひとりが知ることができた『敗北』です。
    一人前に満たない未熟な技術と精神力しか持たないプレイヤーばかりが集まったチームは,これからも“ All for one ”を都合良く「一人のために」と解釈し,「助け合い」ではなく「助けてもらい合い」で終わってしまいます。おのずと『勝利』は遠のきます。新人戦での貴重な『敗北』で,一人ひとりが自分の足りなさを自覚し,克服のための努力を継続できるチームになってほしいと思います。そのチームこそ “ All for one ”を「勝利のために」と解釈し,来年の6月に『勝利』をつかむことができるのです。
    「One for all,All for one.(一人はみんなのために,みんなは勝利のために)」選手諸君の健闘を祈ります。
 

 

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「想定外」「前例のない」災害に備える

   9月17日(火),火災を想定した避難訓練を実施しました。先日,清水中学校(体育館)に避難所が開設されたこともあり,避難が終了した後,私から以下の話をしました。

「想定外」「前例のない」災害に備える

  「想定外の高さの津波に襲われた。」東日本大震災で東京電力から語られたコメントです。
  「前例のない二度の震度7の地震に襲われた。」3年前の熊本地震に関し,気象庁が用いた表現です。
  戦後日本は,地震や火山噴火の予知に関する研究を進め,莫大な国家予算をつぎ込んできました。しかし,残念ながら8年前の東日本大震災,5年前の御嶽山の噴火,3年前の熊本地震,そして昨年の北海道胆振東部地震を予知し,被害を最小限に食い止めることはできませんでした。大自然の驚異を前に,我々人類はこれからも「想定外」や「前例のない」災害に見舞われることは,残念ながら避けて通るわけにはいかないのです。
  本日,皆さんは火災を想定した避難訓練を実施しました。避難するときの約束事などを確認するためにたいへん重要な訓練です。しかし,訓練することだけがこの行事の目的ではありません。この訓練をきっかけに,いつ,どこで,誰と,どんな災害に巻き込まれる危険があるのか,そして,その際はどのように対処すべきなのかを考えるきっかけにしてほしいと思います。
   去る9月9日,台風15号接近による大雨が予想され,福島市内の小・中学校が休校となりました。当日は,市内を流れる河川が氾濫する危険性が高まったことから,避難勧告が出さた地域があり,午前10時30分,本校の体育館に避難所が開設されました。幸い大事には至らず,午後7時には閉鎖されましたが,学区の北側を流れる松川が氾濫することが「想定外」ではないのではと想像させる激しい雨に見舞われました。実際,先日公表された福島市の洪水ハザードマップでは,清水小学校や御山小学校周辺の松川沿いには,浸水の危険性がある地域に指定されている場所があります。
  今回の出来事を教訓に,洪水や地震などにより避難を余儀なくされた場合を想定し,日頃からどのような備えをしておくべきかなど,準備しシミュレーションしておくことが大切となります。また,中学生として,弱者である高齢者や自分たちよりも幼い子どもたちのためにしてあげられることは何かということについても想定しておけば,いざという場合にすぐに行動に移せるはずです。

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「栄光の記録」を再び刻み始めます

   本校の職員室と校長室に面する廊下の壁に「活動の足跡」という4枚の掲示板があります。それぞれの掲示板は「平成4年度」「平成6年度」「平成7年度」の卒業生により寄贈されたものと,「平成16年度」に青絹の会より寄贈されたものです。
   掲示されている最も古い記録は,開校した年の「昭和59年12月,県秀作審査会特選」で,最も新しい記録は,10年以上も前となる「平成20年8月,東北中学校体育大会,卓球個人ベスト16」となっています。その後,掲示板を増設することか叶わなくなり,掲示は途絶えたままとなっていたようです。
   今年は,令和元年という節目の年にあたることもあり,令和時代の足跡を後世に引き継いでいくために,4枚の掲示板に残された記録を写真に撮り,プリントアウトしたものを校長室前にまとめて掲示しました。(写真)そして,今までの掲示札を真っ白にして,本年度からの記録を紹介していきます。平成20年以降止まっていた“栄光の記録”を再び刻み始めます。今後,生徒たちの努力によって,たくさんの記録が刻まれることを願っています。
   ちなみに,「活動の足跡」に掲載される基準は以下のとおり引き継がれてきました。 

1 団体競技等は「支部大会優勝」「県北大会優勝」「県大会三位以内」「東北大会三位以内」「全国大会入賞」の場合

2 個人は,県大会またはそれに準ずる会以上について1位または最優秀の場合 (東北,全国大会に出場した場合を含む)

3 福祉・勤労奉仕的活動などにおける顕著な活動があった場合。ただし,これは校長の判断によるものとする。

  この基準に照らし合わせると,本年度9月現在までの実績で以下の記録が「活動の足跡」に掲載されることとなります。

 

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県中体連駅伝競走大会県北予選会が開催されました

  本年度の福島県中体連駅伝競走大会県北予選会が,4日,あづま運動公園内周回コースで開催されました。
   この大会をめざし,特設駅伝部の選手たちは,中体連県北大会を終えた6月下旬から,猛暑の夏休み期間中も厳しいトレーニングを積んできました。
   気温23度,ほぼ無風と絶好のコンディションで行われたレースは,5区間で争われた女子が総合26位(51分08秒),6区間で争われた男子が総合15位(1時間04分31秒)と目標とした順位,タイムを上回る健闘を見せました。
   多くの同級生が部活動を引退している中,勉強と両立し練習に励んだ3年生の選手の皆さんに改めて拍手を送ります。1,2年生は,来年度,今年の成績を上回ることができるよう,それぞれの部活動の練習において走力のアップに努め,特設駅伝部の練習に多くの選手たちが参加してほしいと思います。

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通信アプリの長時間使用で学習内容が消えてなくなる!!

   29日の学校保健委員会において,内科医の鴫原先生による「ネット依存」に関する講話の中で,LINE等の通信アプリの長時間使用による弊害について,気になるデータを紹介いただきましたのでお知らせします。

  上のグラフは,仙台市標準学力検査の中学生の数学の平均点と平日一日あたりの通信アプリの使用時間との関係について示したものです。「平日に30分未満しか勉強しない(◆の折れ線)」生徒の状況を見てください。通信アプリを使わない(スマホや携帯を持っていない)生徒の数学の平均点は,約61点でした。しかし,3時間以上使う生徒の数学の平均点は50点以下に急激に低下しています。この群(◆の折れ線)の生徒は,家庭ではほとんど勉強をしていません。つまり,「通信アプリの使用時間が長くなるほど生徒たちの中から,学校で習得した学習内容が消えて無くなった」ことを意味していると考えられます。また,右下がりのグラフから「スマホを長時間利用するといくら勉強しても成績が下がる」ということも分かります。下の図に示したように,平日一日あたりの通信アプリの使用時間の長さは,勉強時間や睡眠時間を介した影響力よりも圧倒的に強く,直接的に成績を下げる方向に作用している恐れがあることが分かりました。これは分析を行った研究チームとしても,非常に衝撃的な結果でした。なぜなら,「通信アプリの使用によって勉強時間や睡眠時間が少なくなるから成績が落ちる」わけではなさそうだからです。

  このような,科学的な調査結果などに基づいて,家庭における子どものスマホの使い方を見直し,子どもと一緒にルールを考えていき,適切な使い方を身に付けさせる取組が求められます。

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