学校日誌

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自助・共助・公助の精神を ~避難訓練実施~

 19日,全校一斉に,学級において災害時の避難経路と非常口の確認をしました。
 私からは,以下のメッセージを伝えました。

自助・共助・公助

 残念ながら今の技術をもってしても,地震や洪水,噴火などの災害はいつ,どこで発生するかを予測することはできません。昨年10月に発生した水害で福島県は,中通りや浜通りを中心に甚大なる被害をうけました。清水中学校の体育館も避難所となり,多くの避難者が訪れたことは記憶に新しいところです。
 東日本大震災では,たいへん多くの方が亡くなられました。必死に逃げても,あの大きな津波にのまれてしまった方々もいます。震災から9年,多くの研究グループが東日本大震災において被害者が何故多かったのかということを検証しています。その中に,「地震や津波に対する危機意識の低さ」や「訓練に参加していなかった」ということが生死を分けたのではないかとの報告も出ています。
 学校での避難訓練は,事前に周知している避難経路で実施しますが,自宅や学校以外の場所で災害に見舞われた場合は,命を落とす危険があることを想定しておかなければなりません。避難経路が分からない建物内で火災に遭遇した場合などは,一瞬一瞬,その状況をしっかりと確認しながら,落ち着いて行動することが必要となります。煙を吸い込まないように口にハンカチをあて,放送などによる避難誘導の指示をしっかりと聞いて行動しましょう。                                               
 自宅も決して安全な場所ではありません。ベッドのそばに本棚があったり,たんすがあったりはしないでしょうか。防げる危険は排除しておくことが大切です。自宅で大きな地震に見舞われた場合,皆さんは自力で屋外に避難します。家屋が損壊した場合は,近くの公園や避難所に移動する場合もあるでしょう。(自助)
 その途中で,近所の子どもやお年寄りと遭遇する可能性があります。場合によっては,その人達の手を引いて安全な場所へ移動するなどの役割があるかもしれません。(共助)
 避難先では,救援物資の搬入や配布など,地域の一員として協力を要請されることもあります。(公助)
 東日本大震災の時,足の弱い人,或いはお年寄りを背負ったり,手を引いたりして必死に逃げた若者たちが沢山いました。熊本地震の時,避難所となった中学校でボランティア活動にあたった中学生もいました。
 「自助」とは,家庭で日頃から災害に備えたり,災害時には事前に避難したりするなど,自分で守ることを言います。
 「共助」とは,地域の災害時要援護者の避難に協力したり,地域の方々と消火活動を行うなど,周りの人たちと助け合うことを言います。
 「公助」とは,市役所や消防・警察による救助活動や支援物資の提供など,公的支援のことを言います。
  災害時には,自助・共助・公助が互いに連携し一体となることで,被害を最小限にできるとともに,早期の復旧・復興につながるものとなります。
 最後になりますが,中学校を卒業してからも,このような訓練を経験する機会があります。不可抗力でどうしようもないこともありますが,訓練を繰り返すことによって命が助かる,誰かを助けることにも繋がります。今後訓練に参加する際は,積極的にそして真剣に関わってほしいと思います。

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チェック機能の必要性 ~生徒総会 校長講話~

   18日,休業により延期されていた前期学級役員及び専門委員会役員の任命と生徒総会を行いました。任命証を受け取った皆さんには,それぞれの組織においてリーダーシップを発揮してほしいと思います。
 生徒総会の開催にあたり,私から以下の話をしました。

  本日の生徒総会では,本部や各専門委員会から年間活動目標と活動計画が発表されます。要項の中にも月別の活動予定が示され,全校生が,本部やそれぞれの専門委員会の活動を知ることになります。しかし,この後,全校生で本部や各専門委員会の活動の成果や反省を共有することができる機会は,2月の第2回生徒総会の時しかありません。つまり,本部や各委員会が計画通りに活動をしているかどうか,自分が所属している委員会以外は,よくわからないまま1年が過ぎてしまうことになります。
  そこで重要になってくるのが,チェック機能の存在です。本部や各専門委員会が,活動計画に沿って十分な活動をしているかどうかをチェックし,問題があれば改善を働きかける組織が存在することで,生徒会活動は更なる充実が図れるはずです。さらに,生徒会新聞等でその情報を提供すれば,全校生が生徒会活動の現状を知ることができ,たくさんの目でチェックすることができるのではないでしょうか。
  例えば,定例の専門委員会が開催される日に,委員会終了後,本部役員と各委員会の委員長が集まり,短時間でよいので,本部や他の委員会の最近の活動の成果や課題を話し合う時間を設けることはできないでしょうか。「あいさつ運動の○○さんがすばらしい」「テストの予想問題をもう少し早く出すことはできないか」「昼の放送に新しいプログラムを導入してほしい」「○○部が活動終了時間を守っていない」など,最近感じたことを指摘し合う。これを継続することで,短い期間にチェックと改善が繰り返されることとなり,それぞれの活動の更なる充実に繋がるはずです。
  私が生徒会活動に期待することは,昨年度と同じ「一歩前進」です。そのために自分が果たすべき役割は何か。この後の総会で,一人ひとりがしっかりと自覚し,明日から実行に移してほしいと思います。
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長時間接続の実態が明らかに ~情報端末に関するアンケート調査から~

    先日,昨年度に引き続き全校生に「携帯電話・スマホ・携帯ゲーム機等のアンケート調査」を実施しました。その結果から本校生徒のネット端末利用の実態を分析しました。

 自分用の携帯・スマホを所持率は,1年生が22.5%(昨年比+2.3P),2年生が25.1%,(昨年比-8P),3年生が33.0%(昨年比-0.8P)となっており,昨年度と比較すると,1年生の所持率が増加しています。さらに,昨年度より所持率が増えたのがタブレットです。1年生が17.0%(昨年比+6.1P),2年生が20.4%,(昨年比+8.8P)と大きく上昇しました。これは新型コロナウイルス感染症による休業期間中,オンライン学習ができる環境を整えた家庭が増えたことが一因であると推察されます。ただ,タブレットはスマホやゲーム機と同様,SNS等のネットワークに接続できるアイテムであることには変わりがないので,家庭における情報管理と情報モラルに関する具体的な働きかけをお願いします。
   今回の調査では,昨年度と比べ一日のネット接続時間が大幅に伸びたことが懸念されます。平日に2時間以上接続している生徒は,1年生が33.6%(昨年比+21.8P),2年生が45%(昨年比+19.8P),さらに3年生にいたっては54.7%(昨年比+20.6P)に達しています。休業開け直後の調査であり,休業中のオンライン学習を含めての時間とも考えられますが,学校が通常に戻りつつある今の状況においては,貴重な睡眠時間の確保や視力低下を防ぐという点からも,ネット接続時間を減らす努力が必要です。ちなみに,7割以上の生徒が,休業前と比べ休業期間中,ネット接続時間が増えたと回答しています。
 ネット接続時間に関しては,今後も追跡調査を実施したいと考えます。

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地域に開かれた学校づくりを目指して ~第1回学校評議員会開催~

 本年度第1回目の学校評議員会を,6月10日(水)に開催しました。
 学校評議員制度とは,学校が,家庭や地域と連携協力して子どもたちの健やかな成長を図っていくため,地域に開かれた学校づくりを推進し,保護者や地域住民等の意向を把握し学校運営に反映させて協力を得るとともに,学校運営の状況等を周知するなど,学校としての説明責任を果たしていくという趣旨から,平成12年4月に設けられた比較的新しい制度であります。
  今回の会議では,コロナウイルス感染症による休業中の対応や今後の感染防止対策を説明するとともに,本年度の学校経営(学校評価)や行事に対する協力をお願いしました。残念ながら,本年度は中学生ドリームアップ事業の目玉である2年生の職場体験活動が中止となりましたが,次年度以降の活動に対し改めてバックアップしていただけるとのお言葉をいただくこともできました。
 その後,評議員の皆様からご質問やご意見を頂戴しました。話題の中心はやはりコロナウイルスの感染防止対策となりました。プールでの授業や学校行事(修学旅行や青柳祭)に関しては,現時点における見通しや方針について話をさせていただきました。評議員の皆様からは,本年度の「地域懇談会の持ち方」や「子ども食堂(清水キッチン)の見通し」等具体的なご提案をいただくなど,貴重な意見交換の時間を持つことができました。
 次回の学校評議員会は,青柳祭の参観を予定しています。

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部活動が再開しました ~部活動の終了時刻,休養日等の確認~

  本日より,部活動が再開しました。手洗い消毒,換気,活動空間の確保,活動時間帯の工夫等の感染予防対策を講じながら指導にあたります。
 12日(金)までは,ウォーミングアップ期間として,急に過剰な運動を行わないよう留意し,2時間以内での活動とします。1年生は部活動の見学期間となり5時には下校となります。13日(土)からは,土日の部活動も可能としますが,対外試合や合同練習,大会参加は当面の間自粛となります。
 部活動の終了時刻(下校時刻)や休養日,特例期間の設定は下記のとおりです。昨年度と比べ,時期に応じた終了時刻に変更を加えました。

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清水中学校の感染症対策 ~安心して学ぶことができる環境づくり~

 清水中学校では,置かれている環境の中,現段階で実施可能な感染症対策を講じながら,生徒の教育活動を保証すべく取り組んでいます。以下に具体的な対策をお示しいたしますので,保護者の皆様方のご理解をいただきますようお願いいたします。さらには,今後とも,家庭における感染症対策の習慣化ならびに登校前の健康観察や検温にご協力ください。

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生徒登校日について連絡メールを送信しました

 3月16日付で,福島市教育委員会より年度末休業中の対応についての通知がありました。それに伴う対応の一つとして,以下のとおりに生徒登校日を設けることとなりました。つきましては,お子様に以下の内容をお伝えいただきますよう,お願いいたします。

■生徒登校日(1・2年生のみ)
 3月27日(金)
 8:30までに登校する。
■当日の予定
 〇学級活動
 〇放送による転退職職員のあいさつ
 〇部活動ごとの連絡   等
 〇概ね10:00ごろには下校の予定
■服装・持ち物
 〇制服
 〇上履き
 〇筆記用具
 〇サブバッグ(通学カバンでもよい)
 〇マスク着用にご協力願います。
 ※課題は始業式に提出しますので持参する必要はありません。
■その他
 〇欠席する場合は,授業日同様学校まで連絡をお願いします。
 〇当日,今後の対応についての文書を配付しますので,詳しくはそちらをご覧ください。

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第36回卒業証書授与式

   本日,36回目となる卒業証書授与式を挙行しました。新型コロナウィルス感染拡大防止のため,残念ながら,PTA会長様を除く来賓の皆様方と在校生の参列なしの式典となりました。
   在校生代表の霜山果奈さんによる「送辞」と卒業生代表の秋山史帆さんによる「答辞」を掲載します。

送辞

 例年にない暖かさで,校庭の草木も,一足早く太陽に向かって一斉に芽吹き,美しく薫る花を咲かせようとしています。
 校舎に吹き込む風にも,春の訪れを感じさせる今日の佳き日に,晴れて卒業証書を手にされ,未来への大きな一歩を踏み出そうとしている卒業生の皆さん,ご卒業おめでとうございます。本来であれば,在校生一同,この場に参列し,卒業をお祝いするところですが,今回の臨時休校のため,それが叶いませんでした。在校生を代表し,心よりお祝い申し上げ,「送辞」を述べさせていただきます。
 さて,この清水中学校の門をくぐられて三年。その月日は今,皆さんの胸にどのように刻み込まれているのでしょうか。あっという間の三年間に,きっとかけがえのない思い出がたくさんあふれていることと思います。
 私たちが入学したとき,皆さんは優しく明るい笑顔で迎え入れてくださいました。そのたくましく,凛とした頼りがいのある姿に,私たちが漠然と抱いていた中学校生活への不安も,大きな希望へと変わり,安心して新たなスタートをきることができたのを覚えています。皆さんの姿に憧れ,皆さんの背中を懸命に追いかけているうちに,いつしかお別れの日を迎えてしまいました。寂しさで胸がいっぱいです。
 私たちが皆さんと最も多くの時間を過ごすことができたのは,部活動でした。みなさんは,時に優しく,時に厳しく,私たちに声をかけ,励ましてくださいました。私は時々,皆さんのように下級生を正しく導けているのかどうか不安になることがあります。しかし,そのようなときは,皆さんが私たちにしてくださったことを思い出し,前に進むことができました。私が皆さんの温かな言葉に救われたように,私たちも,下級生から慕われる上級生を目指し頑張っていきたいと思います。
 「虹輝燦然~輝く色が彩る令和~」をテーマに行われた青柳祭。全校生が楽しみ,感動を分かち合った素晴らしい文化祭となりました。青柳祭前日,大雨で下校時刻が早まり,限られた時間の中での準備は,思うように作業を進めることができませんでした。しかし,そのような困難をも乗り越え,大成功を収めてしまう皆さんの団結力と行動力を心から尊敬しています。また,合唱コンクールでは,音楽堂を目指し,各学級が一つになって歌う姿に胸を打たれました。朝,昼休み,放課後,校舎四階から聞こえてくる美しく力強い歌声は,私たち下級生のよき目標となりました。そして,本番。会場中に響くクラスの固い絆で結ばれたハーモニーは,私たちはもちろん,その場にいた全ての人を魅了しました。あまりの感動に言葉も出ないほどで,仲間とともに一つの目標に向かって努力する大切さを改めて教えていただいたように思います。
 常に先頭に立ち,進むべき道へと手を取り導いてくださった皆さんに続き,今度は私たちが下級生を引っ張っていく番です。清水中学校の素晴らしい伝統と皆さんの志を受け継ぎ,在校生一人一人がよりよい清水中学校を築き上げていくことを,ここに誓います。
 卒業生の皆さん。いよいよお別れのときが近づいてまいりました。今皆さんは,夢と希望を抱いて,この新しい令和の時代の,新たな世界へと羽ばたこうとしています。ここから先に続く長い道のりには,高い壁が立ちはだかり,迷い,悩み,思い描いていたようには進めないことがあるかもしれません。しかし,皆さんにはこの学び舎でともに過ごした心強い仲間たちがいます。これから先どんなことがあろうとも,皆さんらしく,何事にも全力でチャレンジし,眩しく輝き続けてください。そして,笑顔で私たちを,いつまでも見守っていてください。
 最後になりましたが,四月から始まる,それぞれ新しい生活での,皆さんのご健康と更なるご活躍を心からお祈り申し上げ,送辞といたします。

                        令和2年3月13日
                          在校生代表 霜山 果奈

 

答辞

 時は静かに,しかし着実に私たちの周りを流れていきます。気がつくと,例年よりも暖かかった冬が過ぎ,間もなく,入学してから三度目の春が訪れようとしています。今年は,世界的な問題となっている感染症流行の影響で,開催さえ危ぶまれる中,こうして晴れの卒業式を開催していただいたことに,私たち卒業生一同は,感謝の思いでいっぱいです。
 平成29年4月,私たちは清水中学校に入学しました。年号も変わり,令和2年となった今年,いよいよ卒業を迎えた私たちですが,入学したての頃には,三年間がこんなに短いものとは,思いもしませんでした。短い三年間,しかし,この清水中学校には,たくさんの忘れられない思い出が詰まっています。
 入学式には,慣れない制服姿で,不釣合いに大きなかばんを背負い,これから始まる新しい学校生活への,期待と不安の入り混じった複雑な気持ちを抱き,校門を通ったものでした。何もかもが初めてのことで,慣れることだけで精一杯でしたが,全てが新鮮で,学ぶことがたくさんありました。
 三年間の部活動では,同学年の仲間とともに練習に励み,技術面だけでなく,精神面でも,大きく成長することができました。最後の中体連やコンクールでは,目標を達成できた部も,また思うような結果を残せず涙をのんだ部も,あったと思います。私は,最後のコンクールで目標は達成できましたが,さらにこうしていたら,さらに高みに登れていたのではないかと,考えることもありました。しかし,仲間と積み重ねてきた努力は,私たちの中で,確かなものとして残っています。三年間の部活動で得たものは,私たちのこれからの人生をきっと助けてくれるでしょう。
 昨年秋に迎えた最後の文化祭は,私たち三年生が中心となって準備をしてきました。思っていた以上に大変な毎日で,一から考え,準備し,創り上げた青柳祭。本当に苦労が多かったのですが,それを乗り越え,大成功で終わったときのあの達成感は,かけがえのない経験となりました。
 私にとって,中学校生活で一番の思い出といえば,それは修学旅行です。本当に時間が短く,あっという間に過ぎた三日間でした。東京ディズニーリゾートで過ごした楽しい時間も,国会議事堂やJAXAつくば宇宙センターでの実感のある学びの時間も,忘れられない貴重な思い出です。班別行動では小さなトラブルもありましたが,手元にある写真を見返すと,その一枚一枚に仲間との貴重な出来事が思い出され,つい笑ってしまったり,二度とできない体験なのだと寂しさを感じたりします。
 さて,これらの充実した中学校生活は,もちろん私たちの力だけで送れたわけではありません。先生方の支えがあってこそのものでした。先生方は,私たちをいつも見守ってくださいました。私たちのことを親身になって考えてくださっていた先生方の思いを,私たち一人一人,今,しっかりと受け止め,卒業していきます。
 地域で私たちを見守ってくださった皆様。本来であれば,ここで私たちの成長した姿をご覧いただきたかったところですが,今年はご臨席いただけなくなってしまいました。直接お礼を申し上げられないのが残念です。今まで様々な場面でお支えいただきありがとうございました。
 そして最後に,お父さん,お母さん,そして家族の皆さん。ここまで私たちを,愛情をもって育ててくださいました。わがままを言ったり,反抗したりしたこともありました。人間関係や進路に悩んだとき,相談に乗ってもらったこともありましたね。いつもそばで寄り添っていただき,ありがとうございます。普段は気恥ずかしくて言えない言葉ですが,本当に感謝しています。そして,これからもよろしくお願いします。
 私たち卒業生は,皆さんとの三年間を胸に,それぞれの道へと旅立っていきます。中学校の卒業式は,九年間という義務教育の終わりを意味する,人生の大きな節目です。ここからまた,新たなスタートを切り,それぞれの道で頑張っていきます。
 お別れの時が近づいています。本日は,私たち卒業生の旅立ちの式にご出席いただき,ありがとうございました。校長先生はじめ諸先生方,三年間に渡る多大なるご指導,本当にありがとうございました。在校生の皆さんには,この伝統ある素晴らしい清水中学校の生徒であることに誇りをもって,日々充実した生活を送ることを期待しています。
 最後になりましたが,より一層の清水中学校の発展をお祈りし,答辞といたします。

                        令和2年3月13日
                          卒業生代表 秋山 史帆

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児童・生徒の皆さんへ -学校の臨時休業に関する福島県教育長メッセージ-

※学校の臨時休業に関する教育長からのメッセージです。


児童・生徒の皆さんへ -学校の臨時休業に関する福島県教育長メッセージ-


 学校が臨時休業となってから約1週間、高校生は10日となります。皆さん、どのように過ごしていますか?

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のためにはやむをえないことでしたが、入学試験や卒業式を控える年度末の重要な時期に、心の準備もままならないうちに、急に先生や友達に会えなくなってしまいましたね。胸が痛みます。

 準備期間が短かったにも関わらず、保護者の皆様、教職員の皆さん、放課後児童クラブの運営を行う皆様など子供たちに関わる多くの方々が準備に奔走してくださり、無事に休業に入ることができました。また、臨時休業中の子供たちを、創意工夫を重ねて見守っていただいていることに心から感謝申し上げます。

 児童・生徒の皆さんは、新型コロナウイルスという見えない敵、そして、いつ学校が始まるのかわからない状況に対して、不安を感じているかもしれません。特に、中学生、高校生の皆さんは、9年前の3月に似たような経験をしたことを思い出すかもしれません。

 このようなときだからこそ、一人一人が何をするべきか冷静に考え、判断し、行動していくことが大切です。そして、ピンチの中からチャンスを見いだしていく前向きさを失ってはいけません。臨時休業という状況を、感染拡大の防止のみならず、学習や生活の面でも何とか有意義なものにしたいものです。

 まず、今は新型コロナウイルスの感染の拡大防止が最優先です。学校から今回の臨時休業の趣旨、注意事項などが伝えられていると思います。未知のウイルスであるが故に、ウェブ上には誤った情報が流れている場合もありますが、何が正しい情報かを見極め、感染拡大防止に向けて何をすべきか、何をすべきではないのかを冷静に判断してください。

 次に、皆さんの心身の健康についてです。不規則な生活になっていませんか?ゲームばかりしていませんか?時々は体も動かしていますか?誰かとお話できていますか?時々笑っていますか?もちろん人混みに出かけることは控えていただく必要がありますが、ジョギングや縄跳びなど可能な運動もあります。それぞれに自分と向き合って考えてみてください。

 そして、急にできてしまった「何もない時間」を有意義に過ごす方法を考えてみましょう。普段は、学校、部活動、習い事等で忙しくしているので、急に時間ができると何をしたらよいかわからなくなりがちです。

 例えば、日常生活の中で家庭のお手伝いをしてみませんか?小さくても普段できない体験活動です。家族の方とコミュニケーションをするきっかけにもなります。居場所と役割があると気持ちが前向きになります。

 このような時期だからこそ、本や新聞を読んで物事を考えてみてください。今のところは県立図書館も開館しています。団体活動はできませんが、個人利用はできます。ビブリオバトルへの参加もお待ちしております。

 この機会に苦手科目を克服するのはいかがでしょうか?ふくしま学びのネットワークの前川直哉先生も提案されているように、時間が取れる時にしかできない広い範囲の復習なども考えられます。ウェブ上にも様々な無料の学習コンテンツが掲載されています。

 中学生や高校生の皆さんは、自分が政治家になったつもりでテーマを決めて、友達や先生とウェブ上で議論することもできます。SDGsの中からテーマを選ぶのもよいと思います。「君が学ぶと世界が変わる」と私も思います。

 なお、今回の休業のために、学年の修了や卒業などが不利になることは決してありません。授業ができなかった分をどのように補うのかについては、教育委員会や校長先生がきちんと考えてくださっています。

 最後に、まわりの人たちへの心配りです。弟や妹がいれば、日常の生活が一変してしまった不安をいたわってあげてください。ご両親をはじめとした大人の皆さんも大変な苦労をしています。自分に何ができるかを考えてみてください。新型コロナウイルスに関連して、いじめや差別があってはならないことは言うまでもありません。

 普段当たり前であると思っていた日常的なものが、無くなってみて初めてその重要性に気づくことがあります。学校は、皆さんにとってそのようなものなのではないかと思います。

 ピンチをチャンスに変えることは簡単ではありません。しかし、福島県は「チャレンジ県」としてピンチをチャンスに変えようと、この9年間皆で力をあわせ復興に取り組んできました。その蓄積を今こそ生かしましょう。

 少しでも皆さんの不安が減って、有意義に過ごせること、そして、早期にウイルスの感染が終息して学校が再開し、皆さんがまた笑顔で先生や友達とともに過ごせるようになることを祈っています。

   
   令和2年3月12日

   福島県教育委員会教育長  鈴木 淳一

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